【DB】分散DBシステムの透過性
分散DBシステムとは
分散DBシステムは、複数のDBが地理的に遠隔地にある場合にネットワークを経由して協調処理をさせるシステムを指します。分散DBシステムをサービスとして提供する場合、利用者にはあたかも一つのDBにアクセスしているように見えるようにし、物理的なDBが複数に分散していることを意識させないことが重要です。この分散状態を意識させないことを分散DBシステムにおける「透過性」と呼び、透過性はさらに以下のような項目に分類できます。
- アクセス透過性
- 位置透過性
- 移動透過性
- 分割透過性
- 重複透過性
- 規模透過性
- 並行透過性
アクセス透過性
利用者がネットワーク経由で接続されている全てのDBのデータに同一の方法でアクセスできる性質を指します。例えば、分散DBシステムに参加する個々のDBの仕様が異なっても、分散DBシステム上のデータへのアクセス方法が同一であれば、アクセス透過性を持つといえます。
位置透過性
DBが地理的に移動しても、利用者がシステムの位置を意識せず利用できる性質。
移動透過性
データの格納場所が変更されても、利用者がデータの場所変更を意識せずに利用できる性質。大阪のDBから名古屋のDBへデータが移動されても、分散DBシステム上アプリケーション内ではディレクトリ位置が変更されていない・・・など。
分割透過性
一つのデータが複数のDBに分割して格納されていても、利用者はあたかも一つのデータが一箇所にあるものとしてアクセスできる性質。テーブルAが東京にあり、テーブルBが北海道にあっても、分散DBシステムの利用者からはそれらを結合したテーブルを利用できる、など。
重複透過性
一つのデータが複数のDBに重複して置かれていても、利用者はデータが一つしか無いものとして利用できる性質。
規模透過性
DB機能を提供するマシンやアプリケーションの構成に関係なく、システム規模を変更できる性質。
並行透過性
利用者が、複数のDBに対し同時並行的にDB操作を行うことができる性質。